自閉症スペクトラムとはどんな障害なのか、自閉症スペクトラムにはどういう特徴があるのか
知的障害を伴う古典的自閉症・高機能自閉症・アスペルガー症候群・広汎性発達障害…いろいろな疾患名がありますがみな「自閉症」のお仲間です。
ここでは知的障害を伴わない自閉症について主として説明しています。自閉症スペクトラム障害は他者との関わり・感じ方・行動などにさまざまな影響を及ぼす障害です。
これは心の病気ではありません。先天的な脳の機能障害です。
ですから、「失恋で落ち込んでひきこもりになって自閉症になった」なんてことはありませんし、「ストレスで自閉症になった」なんてこともありません。「病気」ではなくて「障害」なので、「障害とうまく付き合っていく」ことはあり得ますが、基本的に「治る」ということはありません。
自閉症の特徴としてまず挙げられるのは「社会性・コミュニケーション能力・想像力」の三つの領域にわたって障害があることです。
場の雰囲気が読めいないこと、暗黙の了解を理解できないことなどだそうです。結果として場にそぐわない発言をしてしまったりというようなことが起こるようです。
言語・非言語のコミュニケーションがとりにくい、コミュニケーションが一方的で相互的になりにくいという障害です。具体的には3人以上の集団での会話が苦手だったりということらしいです。
これが一番わかりにくい障害でしょう。未来に関してあれこれ想像する力、事柄に関して思いを巡らす力とでも言いましょうか…。
想像力に障害があると見通しのつかないことに過剰に不安を感じたり、わからないことをあれこれ想像して楽しむことができなかったりするそうです。日々の日課や予定どおりであることにこだわるといったこともあるようです。ちなみに私も見通しがつかないことが非常に苦手です。
障害が知覚そのものにある障害なので当事者には基本的に障害を自覚できないのですが、上記のうち上二つ、社会性とコミュニケーションに関しては、あれこれ失敗をしたりしていくことによって間接的に「苦手」だと「理解」していく場合が多いようです。
想像力に関しては私は「言われれば確かに…」という感じです。知ってみて初めて「そうか、定型発達者はそういった不安をあまり感じないんだ」と言うことを知りました。
自閉症スペクトラム障害の概要をわかりやすく記載したWebページがあります。↓参考までにどうぞ。
アスペルガー症候群を知っていますか(日本自閉症協会東京都支部のアスペルガー症候群の解説ページにリンクします。)
自閉症スペクトラム障害を持つ場合、学習障害(LD)や注意欠陥・多動性障害AD/HDが併存しているケースが多いそうです。
しっかり私は不注意優性型のAD/HD傾向があります(ああ、くらしにくぃ〜…)。
アスペルガー症候群・高機能広汎性発達障害・高機能自閉症・特定不能の広汎性発達障害…さまざまな診断名があり、結構これだけでもアタマがこんがらかります。
今一番日本で出版されている本で採用されているのがローナ・ウィング博士の提唱する社会性の障害・コミュニケーションの障害・想像力の障害の「三つ組みの障害」をもつグループを知的障害の有無に関わらず連続体としてとらえる「自閉症スペクトラム」という考え方のように思います。専門的な診断基準は様々なものがあります。どの診断名がつくかは診断する医師がどの基準を採用しているかといったことのようです。